小売業界の動向と保険の重要性
私たちの暮らしを支える小売業。具体的には、百貨店、コンビニエンスストア、スーパー、ドラッグストアなどが挙げられます。他にも青果店や鮮魚店、衣料品店、雑貨店など、モノを商う業種の大部分はこの小売業に含まれます。
経済産業省のミニ経済分析「2020年小売業販売を振り返る」によると、小売業全体の2020年の販売額は146兆4,570億円と、前年比マイナス3.2%の減少となりました。コロナ禍の影響で、外出しての買い物を控えた消費者が多かったことが伺えます。
業態別では百貨店・コンビニの販売額が減少する一方、スーパー、家電量販店、ドラッグストア、ホームセンターなどは堅調で、特にスーパーは店舗数の拡大に加え、1店舗あたりの販売額が大幅に増加し、前年比3.4パーセントの増加となっています。
百貨店の休業による売り上げ低下や、スーパーやドラッグストアの商品と比べて割高になるコンビニでの消費行動が抑制される一方、生活に必要不可欠な食料品や雑貨類については、コロナ禍においても消費者の購買意欲が低下しなかったとみられます。
特に食品を扱う小売店において最も大切なのは商品の品質・衛生管理と適切な価格設定・品揃えですが、それに加え地域に根ざしたお客様や従業員とのコミュニケーション、信頼関係の醸成が挙げられます。
売り物の品質の不備や食中毒が発生した場合、またクレームを適切に処理できなかったとき対応を間違えば消費者トラブルとなり、お客様との間で長年にわたって築き上げてきたブランドイメージや信頼感が一気に失墜してしまう可能性もあるのです。また大規模スーパーやドラッグストアを筆頭に、小売業界では管理職の超過労働が問題になる一方、現場を担うパートやアルバイトの人材の入れ替わりが激しく、労使間のトラブルも発生しやすい傾向があります。
よい評判も、それ以上に悪い評判も驚くほどの速さで伝播する時代になりました。普段から地域と信頼関係があることや、万が一のトラブルの初動を誤らないことが、トラブルを大きくさせないために重要です。